オリンピック柔道 旗判定

2012.08.01 Wed

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2012 オリンピック 柔道 ―旗判定―

おとといのこと。僕は、たまたま、2012年ロンドン・オリンピック柔道「海老沼選手 対 チョ選手」の試合をテレビで見た。カナダで見たので、もちろん英語。

僕 んちのテレビは、カナダの番組とアメリカの番組が同じように見られる(友達のうちもそうだから、こっちでは、ふつうのことだと思う)。たまたま 見たので、カナダの番組だったか、アメリカの番組だったかは覚えてない。英語の発音も同じだし。オリンピックの場合、カナダの番組は、カナダの選手をたくさん写し て、アメリカの番組は、アメリカの選手をたくさん写す。それと、カナダのテレビもアメリカのテレビも、露骨(ろこつ)に、自国選手達を応援する。でも、こ の試合は、どちらも北米選手じゃないから、Caster キャスターも、Commentator コメンテーター (解説者)も、どっちでもいいやって感 じで、淡々(たんたん)としてた。

その後、日本のテレビ番組で、同じ試合を見た。これは、もちろん日本語。

文化的な理由なのか、別の理由なのかはわからないけど、北米と日本で、報道の雰囲気が違うって思った。

(僕は、この試合については、北米の番組の一つと、日本の番組の一つを見比べただけ。だから、それがいつもあてはまるかは、わからない。でも、バンクーバー・オリン ピックのフィギュア・スケートのときも、僕の見たカナダのスポーツ番組と日本の番組とで、報道の雰囲気が違うって感じたことがあった。)

Ebinuma_convert.jpg
(Reuters ロイター)

LONDON, July 29 (Reuters) - Japan's Masashi Ebinuma beat South Korea's Cho Jun-Ho in match 4 of the Olympic men's judo 66kg quarterfinals at the 2012 London Games on Sunday.
Chicago Tribune シカゴ・トリビューン紙から)

事実関係は、みんな、知ってのとおり。
北米のテレビを見て、わかったことを書く。

旗判定になった。
最初の旗判定で、3人のジャッジが、チョ選手の勝ちとした(3本の青旗が上がった)。

そしたら、会場内から、ものすご~い Booing (ブーイング)のあらしが・・・。
いくらなんでも、そりゃあり得ないだろうっていうのが、観客の圧倒的な反応だった。

そしたら、Sportcaster(スポーツ・キャスター)が 
“Oh, I hear a lot of booing in the crowds!”

「ああ、これは、すごいブーイングですねー。」

と言った。

Commentator(解説者)も、それに賛同したうえで、

“I think this one should go to Ebinuma." って、はっきり言った。


日本語に訳すと、
「いやあ、これは~、海老沼に行くべきですね~(海老沼が勝つべきですね)。」って、北米人の解説者は、英語で、はっきりと言ったんだ。それは、旗判定がひっくり返る「前」のことだ。

Commentator (北米人英語解説者)は、ジャッジとちがう意見でも、はっきりと言った。遠慮してない。

Commentator (解説者)は、柔道の専門家。英語母国語人なんだけど、柔道について、とてもくわしくて、いろいろ解説してくれてた。柔道も世界に広がっているなあって思った。

僕は、柔道のことはよく知らないけれど、海老沼選手の方が優勢だなって思ってたから、Commentator(解説者)の言った言葉に、違和感をもたなかった。

その後、みんなも知っているように、ジューリたち(科学的に審査する審判委員たち)が、意見を言って、ジャッジたちは、もう一度、旗判定をすることになり、今度は、白旗が3本あがり、海老沼選手の勝ちが宣言された。

そしたら、会場全体から、ものすごい大きな拍手が、わき起こった。

(ちなみに、その前には、海老沼選手に、足技で「有効」の判定を出されてたんだけれど、それが取り消されたこともあった。)

でも、僕が、ここで言いたいのは、ジャッジたちやジューリたちのことではない。
日本人の謙虚(けんきょ)さとか、美学についてだ。

僕の見た日本の報道ではどうだったかっていうと、ジャッジの最初の判定に対して、とても遠慮してた。むしろ、むにゃむにゃ言いながら、ちょっと、迎合(げいごう)する感じ。北米の番組を先に見てた僕は、ウルトラびっくり! でも、そういえば、バンクーバー・オリンピックのときもそう思ったことがあったことを、思い出した。

日本人は、文化的に、「潔(いさぎよ)さ」を大事にしてる気がする。
Commentator(解説者)だけじゃない。仮に誤判定で負けた場合でも、判定で勝った場合でも、「(一本をとれなかった以上)、自分の力不足だ。自分が悪かった。」っていう風に、選手自身思ったり、コメントしたりする傾向があるように思う。

その精神は、とても美しく、 本当に素晴らしい。本来は、賞賛(しょうさん)に値する。 世界中の人たちが見習うべき態度だとも思う。でも、現実を思うに、たぶん、そういうのは、世界では、全く通用しない。逆手(さかて)にとられて、ヒドク損をしてしまう。それでもいいという考えもあるんだろうけれど、歯がゆいときもある。

僕は英語人に囲まれて、英語で教育を受けているせいか、「日本の美学 は、素敵だな。」って誇らしく思う反面、「もうちょっと、日本は、自己主張してもいいんじゃないかな。」って、思うときがある(だから、今回、海老沼選手のコーチが、ジェスチャーで「旗判定は、おかしい!」っていう意思を表示をしたのは当然だと思ってる)。

たいていの日本人が、あの試合を、英語で見てはいないと思う。だから、少なくとも、「僕が見た」北米番組では、ニュートラルな立場の北米人 Commentator(専門家解説者)が、「これは、海老沼の勝ちでしょう」って、判定がひっくり返る「前」から、はっきり言っていたっていう「事実」を、みんなに伝えたいって思って、このエントリーを書きました。 

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Re: タイトルなし

黒田裕樹さんへ

> 翔さんならではの貴重な情報を有難うございました。
> こちらのマスメディアでは「判定が覆るのがおかしい」「韓国の選手がかわいそう」という論調ばかりでウンザリします。
> 「日本人の美学」は美しいですし、同胞としてずっと守っていかねばなりませんが、悪用されることに関しては声を挙げ続けなければいけないでしょうね。
> 悲しい現実ですが、そこにつけ込もうとする国が存在する以上は仕方がないのかもしれません。

いろいろ教えてくださって、ありがとうございます!
どの国も、自国選手を応援し、自国に対してちょっとひいき目なくらいがふつうな気がするので、それが、もし逆方向だとしたら、不自然な気がします。


happyuanさんへ

> 興味深い記事をありがとうございます。
> 先日ある会計学の講座で、世界のルール(この場合は国際会計基準なんですが)がこのように決まっていくという話のたとえに柔道が上がりました。日本の柔道がもう全く違う世界の柔道になったと。そして日本人の謙虚さが裏目にでて、イニシアチブがとれなくて残念だったこと。日本の報道も皆同じでうんざりします。

こんにちは!
こちらこそ、コメントありがとうございます。
・・・・・日本の「柔道」ではなく、「JUDO」になったってことなんでしょうかね。


hamaさんへ

> はじめまして。
> 私には息子がおり武道(空手)を始めさせたいと思っているなか空手の記事から翔さんのブログを拝見させていただきました。
> 今日の記事も面白く読ませていただきました。
> 我が家でもオリンピックは英語(BBC)です。翔さんのおっしゃるように日本では違った放送がされているのでしょうね。
> また海外で生活をしているとつい日本の心を忘れ子供と接してしまいます。翔さんの様に日本を誇れる人間になるように子供と接することも思い出させていただきました。ありがとうございます。

はじめまして!
コメントありがとうございます。
はい。僕は、日本のいろいろなところを誇らしく思っています。カナダに長く住んでいるけれど、自分が日本人であるという意識があります。知り合いに、日本語が話せないダブルの人(お母さんが日本人で、お父さんが白人)もいるけど(日系カナダ人で3世くらい)、その人も、自分が日系であることに誇りを持っていて、白人たちの前で、「私は日本人です」って英語で言ってます。

歴史については、親から日本語でちょっとずつ習っています。英語で書かれた歴史は、英語人の視点から書かれたものだからです。僕のブロともさんである、黒田裕樹さんの書かれた歴史ブログも、とてもおもしろいです。

BBCってことは、イギリスですか? 僕と同じ流派の空手、イギリスにも道場が一つありますよ!
Alanっていう先生が、England の Surreyで、道場を開いてます。遠いかな?

Edit | 2012.08.08(Wed) 13:43:55

hama >>URL

はじめまして。
私には息子がおり武道(空手)を始めさせたいと思っているなか空手の記事から翔さんのブログを拝見させていただきました。

今日の記事も面白く読ませていただきました。
我が家でもオリンピックは英語(BBC)です。翔さんのおっしゃるように日本では違った放送がされているのでしょうね。
また海外で生活をしているとつい日本の心を忘れ子供と接してしまいます。翔さんの様に日本を誇れる人間になるように子供と接することも思い出させていただきました。ありがとうございます。

Edit | 2012.08.08(Wed) 05:50:34

happyuan >>URL

興味深い記事をありがとうございます。
先日ある会計学の講座で、世界のルール(この場合は国際会計基準なんですが)がこのように決まっていくという話のたとえに柔道が上がりました。日本の柔道がもう全く違う世界の柔道になったと。そして日本人の謙虚さが裏目にでて、イニシアチブがとれなくて残念だったこと。日本の報道も皆同じでうんざりします。

Edit | 2012.08.03(Fri) 22:06:23

黒田裕樹 >>URL

翔さんならではの貴重な情報を有難うございました。

こちらのマスメディアでは「判定が覆るのがおかしい」「韓国の選手がかわいそう」という論調ばかりでウンザリします。

しかも映像を流す際には判定の部分だけを切り取って韓国の選手が反則を仕掛けているシーンをカットしていたり、中にはブーイングの声を流さないようにしていたところもあったとか。

もしそれが本当なら、「そこまであからさまに印象操作をするか?」と慄然たる思いがしますし、何よりも真剣に戦っている選手に対して失礼極まりありません。

「日本人の美学」は美しいですし、同胞としてずっと守っていかねばなりませんが、悪用されることに関しては声を挙げ続けなければいけないでしょうね。

悲しい現実ですが、そこにつけ込もうとする国が存在する以上は仕方がないのかもしれません。

Edit | 2012.08.02(Thu) 07:05:19

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プロフィール

大川翔

Author:大川翔
2014年6月、14歳でカナダの公立高校卒業(数学は4学年:AP Calculus 評価5、他は3学年飛び級)。同年9月に大学入学。2015年1月、カナダ政府からカナダ総督アカデミック・メダル賞を受賞。同年4月、大学1年終了。2016年4月、大学2年修了。同年9月からは、大学3年生。

0歳から5歳まで日本の保育園で育ち、5歳半の時に、両親の仕事の都合でカナダに来ました。時々、日本に帰国してます。僕の『極楽カナダ生活』をブログに記そうと思います。

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