スペリングピー・コンテスト
2012.11.29 Thu



スペリングビー・コンテスト(1)
グレード3くらいから、人前で、単独で発表する機会がグ~ンと増えるんだけど(

これはグレード5のときの話。クラス担任のハンキー先生が突然発表。「今年から、うちの学校もスペリングビー・コンテストに参加することになった。そこでわがクラスからもクラス代表を2人選ぶ。」ハンキー先生は勝負ごとが好きだから、やる気まんまん。

スペリングビー・コンテストとは、グレード4から7(9歳から13歳)くらいの生徒が、英単語の正しいつづりを、一人ずつ舞台の上で、口で言って競うコンテストのことだ。全米決勝戦はテレビ中継(ちゅうけい)されるから知っている人も多いかも。ここカナダでも盛んになってきてて、参加する学校が増えてきている。それで、僕の学校も、この年、初参加を決めたんだ。
みんなの反応は、イマイチ。メンドウな宿題が増えたぜって感じ。ハンキー先生から、プリントを渡されて勉強。まずは、ペーパーテスト。テストの成績上位者から、実際のやり方と同じやり方(口で言う)でさらに選抜(せんばつ)。各クラスからそれぞれ2名のクラス代表選手を選ぶんだ。僕のクラスからはジュリアと僕が学校決戦に出場することになった(一位がジュリアで、僕が二位だった)。
正直言うと、最初、僕はあまり気合が入っていなかった。スピーチ・コンテストとちがって、クリエイティブじゃないし・・・(スピーチ・コンテストの話はこちら

そして、決戦当日を迎えた。クラス代表たちは、各クラスからの声援(せいえん)を受け、舞台上の席についた(ほとんどの代表者は女子だった。スペリングは女子が強いみたいだ)。学校中の生徒達や先生達が見守ってる。主催者(しゅさいしゃ)であるグレード7の担任の先生が、「最後に確認したい人はこのプリントを使ってもいいですよ。」とプリントを机の上に置いた。ハンキー先生を通じて渡されたプリントに出てる単語のスペルは全部覚えていたけど、まあ一応確認するかと思ってプリントを手にとった。
すると、その中に、僕たちがもらってない英単語プリントがあったんだ


僕たちグレード5(五年生)がもらったプリントは、レベル7までのものだけで、レベル8と9のはもらってなかった。グレード6(六年生)の先輩たちも、レベルド8と9のプリントはもらってなかった。でも、グレード7(七年生)だけは、あらかじめ、レベル9までの全部のプリントをもらってたんだ


ちなみに、このコンテストは、「学年無学年制コンテスト」。つまり、学年代表を決めるんじゃなくて、学校代表を決めるコンテスト。この段階で出題される単語は、事前にわたされたプリントの中からだけ出題される。それなのに、グレード5やグレード6にはレベル8と9のプリントをわたさず、グレード7にだけ、レベル9までの全プリントを全員にわたしていた


これはどういうことだ!?・・・このときすべてが見えた(ハンキー先生のせいじゃないのはすぐにわかった)。
そうか、そういうことか。僕は瞬時(しゅんじ)に状況を理解した。
このスペリングビーを企画したグレード7の担任の先生は、グレード7を勝たせようとしているってことだ。グレード5やグレード6には、レベル7までの英単語プリントをくばり、上のレベルの英単語は学ばせない。あらかじめ下の学年に不利な状況を作ってにおいて、グレード7に勝たせる。最後に全プリントを置いたのはアリバイのためだ。これじゃ、
八百長(やおちょう)同然のズルだ!
そのとき、僕の中で何かがはじけた。
いままで、気合が入っていなかったのが、一気にアドレナリン上昇。






僕は、物も言わずにレベル8と9のプリントを二枚つかむと、一枚をジュリアに渡し、目で合図した。ジュリアもコクッとうなづいた。僕は、それから開始までのわずかな間、レベル8とレベル9のプリント、合計50単語を必死に見つめて暗記した!!!

そりゃ、僕だって、グレード7に花



新しい50単語のスペルを、その場で、目に焼き付け、頭に叩き込んだ







決戦が始まった

つづく。


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Category: 小学校生活
Comment
翔 >>URL
Re: タイトルなし
晶 さんへ
> なんか燃えるね、こういう展開。続きが凄く気になる・・・・
ありがとうございます! つづき書きました。
> 日本だとこういう行動を取って花を持たせてあげなかったら、周りから凄く顰蹙を買うからね。小学校なんかは特にそうだった気がする。適度に「負けてあげる」のも世渡りに必要ってそこで学んだなぁ・・・今は逆にそんな事しなくなったんだけど。
なるほど。
> 翔君には周りに遠慮なんかせずにがんがんいって欲しいね。
はいっ。ありがとうございます!
> なんか燃えるね、こういう展開。続きが凄く気になる・・・・
ありがとうございます! つづき書きました。

> 日本だとこういう行動を取って花を持たせてあげなかったら、周りから凄く顰蹙を買うからね。小学校なんかは特にそうだった気がする。適度に「負けてあげる」のも世渡りに必要ってそこで学んだなぁ・・・今は逆にそんな事しなくなったんだけど。
なるほど。
> 翔君には周りに遠慮なんかせずにがんがんいって欲しいね。
はいっ。ありがとうございます!

Edit | 2012.12.02(Sun) 14:36:04
晶 >>URL
なんか燃えるね、こういう展開。続きが凄く気になる・・・・
日本だとこういう行動を取って花を持たせてあげなかったら、周りから凄く顰蹙を買うからね。小学校なんかは特にそうだった気がする。適度に「負けてあげる」のも世渡りに必要ってそこで学んだなぁ・・・今は逆にそんな事しなくなったんだけど。
翔君には周りに遠慮なんかせずにがんがんいって欲しいね。
日本だとこういう行動を取って花を持たせてあげなかったら、周りから凄く顰蹙を買うからね。小学校なんかは特にそうだった気がする。適度に「負けてあげる」のも世渡りに必要ってそこで学んだなぁ・・・今は逆にそんな事しなくなったんだけど。
翔君には周りに遠慮なんかせずにがんがんいって欲しいね。
Edit | 2012.12.02(Sun) 03:56:16
翔 >>URL
Re: タイトルなし
のんき さんへ
> 私はつい最近翔君のブログを詠み始めたばかりなんですが、今回のトピックは興味津々だったので、関連の記事も読ませてもらいました。
ありがとうございます。引用したスピーチ話は、すでに書いたスピーチ話の全部じゃないんです。5年生のときの話の最後に、「つづきの話はこちら」って書いてあるので、そこをクリックすると、次の話が、そしてその次も同じようにすると、次の話が・・・っていう風に、順番に読めるようになってます。
> 娘も今では大学生。ビジネスのプレゼンテーションのクラスでは一番に発表し、Aももらえたと言っていました。
すごいですね~~~!!!
> スペリングビーの結果、楽しみです。
ありがとうございます!!!
> 私はつい最近翔君のブログを詠み始めたばかりなんですが、今回のトピックは興味津々だったので、関連の記事も読ませてもらいました。
ありがとうございます。引用したスピーチ話は、すでに書いたスピーチ話の全部じゃないんです。5年生のときの話の最後に、「つづきの話はこちら」って書いてあるので、そこをクリックすると、次の話が、そしてその次も同じようにすると、次の話が・・・っていう風に、順番に読めるようになってます。

> 娘も今では大学生。ビジネスのプレゼンテーションのクラスでは一番に発表し、Aももらえたと言っていました。
すごいですね~~~!!!

> スペリングビーの結果、楽しみです。
ありがとうございます!!!
Edit | 2012.11.30(Fri) 14:09:10
のんき >>URL
私はつい最近翔君のブログを詠み始めたばかりなんですが、今回のトピックは興味津々だったので、関連の記事も読ませてもらいました。
私はカリフォルニアに住んでいますが、娘が小さい頃を思い出しました。キンだーのときの初めてのshow & tellでは、まだ英語がうまくできなくて本当に小さな声で、それでも一生懸命自分の好きなぬいぐるみについて話したことや、三年生になっても、皆の前で話す声が小さいと先生に注意されていたことなど。そんな娘も今では大学生。ビジネスのプレゼンテーションのクラスでは一番に発表し、Aももらえたと言っていました。
それってやっぱり積み重ねなんですよね。
褒めて育てる教育についても、いつもそう感じています。ただ、日本で育った私たちは褒められることに慣れていないので、褒めるのもなかなか難しいんですよね。そのため、きっと我が家の娘は家庭ではあまり褒められずに育ってしまいました。その分学校や友達やその家族などに褒められるとすごく嬉しいようです。
スピーチコンテストについても、なるほどカナダの子供たちのもスピーチコンテストはやっかいだなと感じているんだと、改めて思いました。
というのも、私はこちらで日本語学校の教師をしているんですが、毎年行われるスピーチコンテストはとても大切なんですが、頭の痛いイベントなんです。
我が校には、日本人や日系人に混じって、日本語を全くの外国語として学んでいる生徒もいるので指導も採点も難しいんですよね。
どの方法が一番公平かと、毎年話し合うんですが難しい課題です。
スペリングビーの結果、楽しみです。
もちろん…でしょうけどね。
それにしても翔君すごいね!
翔君のようなお子さんがいる家庭ってどんななんでしょうね?
こちらも興味津々です。母親として。
私はカリフォルニアに住んでいますが、娘が小さい頃を思い出しました。キンだーのときの初めてのshow & tellでは、まだ英語がうまくできなくて本当に小さな声で、それでも一生懸命自分の好きなぬいぐるみについて話したことや、三年生になっても、皆の前で話す声が小さいと先生に注意されていたことなど。そんな娘も今では大学生。ビジネスのプレゼンテーションのクラスでは一番に発表し、Aももらえたと言っていました。
それってやっぱり積み重ねなんですよね。
褒めて育てる教育についても、いつもそう感じています。ただ、日本で育った私たちは褒められることに慣れていないので、褒めるのもなかなか難しいんですよね。そのため、きっと我が家の娘は家庭ではあまり褒められずに育ってしまいました。その分学校や友達やその家族などに褒められるとすごく嬉しいようです。
スピーチコンテストについても、なるほどカナダの子供たちのもスピーチコンテストはやっかいだなと感じているんだと、改めて思いました。
というのも、私はこちらで日本語学校の教師をしているんですが、毎年行われるスピーチコンテストはとても大切なんですが、頭の痛いイベントなんです。
我が校には、日本人や日系人に混じって、日本語を全くの外国語として学んでいる生徒もいるので指導も採点も難しいんですよね。
どの方法が一番公平かと、毎年話し合うんですが難しい課題です。
スペリングビーの結果、楽しみです。
もちろん…でしょうけどね。
それにしても翔君すごいね!
翔君のようなお子さんがいる家庭ってどんななんでしょうね?
こちらも興味津々です。母親として。
Edit | 2012.11.30(Fri) 00:41:42