小学校の算数(1)
2013.02.15 Fri



小学校の算数(1)-数の数え方-
これから、時々、算数の話も書こうと思う。
僕は、まず日本語で算数を勉強した。その後で、英語でも勉強した。



こっちの小学校では、算数で苦労してた子が多かった。
僕は、Grade 3 のころから、先生にたのまれて、先生のアシスタントをしてきた。授業中、算数で困っている同級生たちの間をまわって、つまづいてるところを教える仕事だ。Grade 3 は、1クラス20人くらいだったけど、たくさんの子がわからないので、先生一人じゃ、とても手がまわらないのだ。
みんなのお手伝いをしているうちに気がついた。Grade 3 でも、(かけ算の前に)、繰り上がりや繰り下がりのたし算・引き算のところで、つまづいてる子たちが少なくないってこと。それで、なぜかなあって考えてた。
英語では、11と12を、eleven twelve と言う。ten-one ten-two とは言わない。1 から12 までの数え方の背後(はいご)に「one dozen (1 ダース)でひとかたまり」っていう感覚があるのかなあ?まあ、時計も12まであるわけだけど。それに13 から19 も、ちょっと変な呼び方だ。20 までは「10進法のルール」にそった名前になってない。だから、英語の場合、20 までの数え方は、丸暗記しなくちゃいけない。20 にしたって、two tens とは言わない。
もし、11 が ten-one、12 が ten-two、20 が two tens、 30 が three tensっていう名前だったら、英語算数のたし算・引き算(繰り上がり、繰り下がり)は、もっとずっと楽だったにちがいないって思ったんだ。「10 を、ひとかたまり」と感じることが、繰り上がりや繰り下がりのたし算・引き算の基本になってるって思うから。
日本語では、11 は 十一(じゅういち)、12 は 十二(じゅうに)、20 は 二十(にじゅう)、30 は 三十(さんじゅう)って言うよね。これって、本当にすばらしいと思う。これだけで、ずいぶん、算数が楽になってるって思うんだ。

Grade 3 のころ、フランス語を習い始めた。それまでは、日本語と英語(スペイン語の数字は10までしか知らなかった)。
フランス語で、100までの数の数え方を知って、ビックリした。

たとえば、80 のことは、quatre-vingts って言うけど、これは、4つの20(80=4x20)って言ってるわけです(quatreは4で、vingtsは20)。
90 のことは、quatre-vingt-dix って言うけど、これは、4つの20と10(4x20+10)って言ってるわけです(quatreは4で、vingtは20で、dixは10)。
11 はonze、12 はdouze。フランス語も英語と同じで、やはり、dix-un (ten-one) dix-deux (ten-two)っていう言い方はしない。でも、17 はdix-sept(ten-seven)、18 はdix-huit(ten-eight)、19 はdix-neuf (ten-nine)。だから、17, 18, 19は、英語よりわかりやすい。だけど、11 から16 はそうなってない。英語とちがって、フランス語は、この点、16 が区切りになってる。なぜかなあ?21はvingt et un(twenty and one)、22はvingt-deux (twenty two) で、英語と発想が同じ。
70 のことは、soixante-dix って言うけど、これは、60と10(70=60+10)って言ってるわけです(soixanteは60で、dixは10)。
71 のことは、soixante-et-onze って言うけど、これは、60と11(71=60+11)って言ってるわけです(soixanteは60で、et=and、onzeは11)。
72 のことは、soixante-douze って言うけど、これは、60と12(72=60+12)って言ってるわけです(soixanteは60で、douzeは12)。
フランス語の場合、20進法の発想があるとは思うけど、それにしても、かなり複雑な数え方

僕の場合、英語やフランス語じゃなくて、一番最初に日本語で数字を覚えたってことが、算数の勉強において、すごくよいスタートになってたって思った。

日本語の数の数え方に、感謝

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Category: 算数と数学
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翔 >>URL
Re: タイトルなし
> >スゴ過ぎる人じゃない、ふつうのフランス人たちはどうなんだろう?算数好き・数学好きのフランス人って多いのかな?
> その辺本当にどうなんだろ。フランスの知り合いがいないからわからんなぁ。身の回りでは、やっぱりアメリカは苦手な人が多くて、日本やインド、中国は強い人が多いけど。
うん、うん。わかる。学者の世界でスゴイ先生たちのことは別の話として、「身の回り」で見ると、やっぱ、傾向がある。晶さんと同じ。(国籍はカナダかもしれないけど)、数学コンテストで上の方をしめてるのは、アジア系の男。これ、圧倒的!あとイラン人も物理強い。「身の回り」の白人女性で理数系が得意って人、いないわけじゃないけど、かなりめずらしい。
あ、でもね、物理の教授に聞いたんだけど、イタリアは、物理専門にしてる女性が多いって。ポスドクとかのレベルの話だと思う。なんでかなあ?って思って教授に聞いたんだけど、わからんって(^^;)
> そういやインドは99×99まで覚えるらしいよ。そしてラマヌジャンは「数学の神が舌の上に答えを書いてくれた」らしいよ・・・もしかしたら、数学の考え方そのものが全く別物なのかもね。
インド数学の本、もってる(^^) 計算の仕方が全然ちがう。
Edit | 2013.02.16(Sat) 15:36:54
晶 >>URL
そうだね。フランス人からしたら「何をそんなこまごまと数えてるんだよ」って思うのかも。あるいは世界の過半数が20進法だったら・・・・まぁ人の指が10本ある以上は10進法が過半数だと思うんだけど・・・でも実際はどうなんだろ、ちゃんと調べてみると面白いかも。ある文化には3以上の数がないって聞いた事もあるし。
>スゴ過ぎる人じゃない、ふつうのフランス人たちはどうなんだろう?算数好き・数学好きのフランス人って多いのかな?
その辺本当にどうなんだろ。フランスの知り合いがいないからわからんなぁ。身の回りでは、やっぱりアメリカは苦手な人が多くて、日本やインド、中国は強い人が多いけど。
そういやインドは99×99まで覚えるらしいよ。そしてラマヌジャンは「数学の神が舌の上に答えを書いてくれた」らしいよ・・・もしかしたら、数学の考え方そのものが全く別物なのかもね。
Edit | 2013.02.16(Sat) 11:48:13
翔 >>URL
Re: タイトルなし
> 確かに、2ケタ以上の数の数え方は日本語の方が簡単だけど
> 2はni、4はshi、5はgoと1音節で数えてしまうのもスゴイと思わない?
はい、日本語の数字って、なんか言いやすいです! (^^)
ただ、音節(syllables) は、英語でも、1 から 10 のうち、7 をのぞいては、全部一音節です(7だけは、二音節)。
こちらで、音節の数、簡単にわかります。
→http://www.howmanysyllables.com/words/ten.html
小学校で習いました。英語で俳句をつくるときに、syllables を数えて、syllables が、5・7・5 になるようにつくるんです。
Edit | 2013.02.16(Sat) 10:49:28
Teo Choccot >>URL
2はni、4はshi、5はgoと1音節で数えてしまうのもスゴイと思わない?
数学向きの言語ですよね、日本語って。
(たぶん中国語も同じだと思います)
Edit | 2013.02.16(Sat) 06:15:50
翔 >>URL
Re: タイトルなし
> そうなんだよね。フランス語って無駄に数え方がややこしい気がする、ほんとに。
日本語も(英語も)10進法だから、それでなれてると、20進法の発想で数字を表現するフランス語にビックリしちゃうってことなのかなあ?なんかとても複雑って感じたんだ。まあ、僕は、英語の11から19も、今ひとつ納得できないんだけどね(^^;)
> でもそのわりにフェルマー、ガロア、フーリエ、コーシー、ルジャンドルにラプラスと、昔は数学といえばフランスと言っても過言じゃない時代もあったんだよね。なかなか不思議だと思わない?
たしかに!!フランス、すごいよね!!先週、「素数のなぞ」についてのドキュメンタリーを見てた。「リーマン予想」について。ドイツ人のほか、アメリカ人、イギリス人だけじゃなくて、フランス人もたくさん出てた(ドイツ語も、11、12をのぞけば10進法だよねえ。英語とにてる。やっぱフランス語が、変わってる気がする)。
スゴ過ぎる人じゃない、ふつうのフランス人たちはどうなんだろう?算数好き・数学好きのフランス人って多いのかな?こっちのふつうの英語人みたいに苦労してたりはしないのかなあ(こちらの数学コンテストで上位をしめてるのは、英語人じゃない名前ばっかりなんだよね)。
Edit | 2013.02.16(Sat) 05:48:54
晶 >>URL
でもそのわりにフェルマー、ガロア、フーリエ、コーシー、ルジャンドルにラプラスと、昔は数学といえばフランスと言っても過言じゃない時代もあったんだよね。なかなか不思議だと思わない?
Edit | 2013.02.16(Sat) 03:56:07