伝説の逆転スピーチ:シェイクスピア「ジュリアス・シーザー」アントニーのスピーチ

2014.03.30 Sun

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伝説の逆転スピーチ
「ジュリアス・シーザー」 (シェイクスピア)
ブルータスのスピーチとアントニーの逆転スピーチ
The Tragedy of Julius Caesar

(by William Shakespeare)

Act 3. Scene II The funeral speeches of Brutus and Antony

この前(前の話はこちら SFUからスカラシップ増額オファー
「金のことは気にせず、うちの組に来いヤ。四年間めんどうみてやるゼ!」って親分さんに言われた気分。
―最近、日本のやくざさんが登場する高校生コメディドラマを日本語で見たので・・・つい。
と書いた。今日の話は、その部分の続き。

僕は、日本語の勉強をかねて(?)、時々、日本語のドラマを見たりもする。

で、この前見たドラマの中に、日本のやくざさんが登場する高校生コメディドラマがあった。27歳のヤクザの若頭(わかがしら)が、17歳と偽って、高校に裏口入学したという話。組長になるためには高校を卒業しなくちゃいけないということで、若頭は、毎日、高校で頑張っていた。

ところが、アメリカから若頭の弟が帰ってきて、あとめ争いとなった。弟はインテリで頭は良いがケンカは弱い。兄は腕っぷしは強いが頭は悪い。結局、次期組長は選挙で決めることになり、兄弟二人が選挙演説をした。先にインテリの弟の方がスピーチをして、その後、兄がスピーチをした。兄は、「後悔はさせねぇ。みんな、俺についてきてくれ!」と言って演説を終えた。弟のスピーチの直後は「弟で決まりだな!」という雰囲気だったのが、兄のスピーチの後で、逆転となった。

見てて、僕は、ふと思った。

「後からスピーチをして、その場の雰囲気をひっくり返す!」っていうパターンは、他でも見たことがあるぞ。The Tragedy of Julius Caesar (By Shakespeare) 「ジュリアス・シーザー」 (シェイクスピア)だ。暗殺の後、ブルータスの演説によって作られた雰囲気を、後から演説したアントニーが見事にひっくり返した。以前、映画(英語)で見た。確認のため調べたのでアップします。


If you had been an eyewitness to Caesar’s murder and the funeral speeches of Brutus and Antony, whose funeral speech would have moved you more? Why?
(だいたいの訳)
もし、君が、シーザー暗殺とその後のブルータスとアントニーのスピーチの目撃者だったら、君は、どちらのスピーチにより心を動かされたか、そしてそれはどうしてか?
について語られている(英語の先生や高校生達がそれぞれ自分の意見を述べてる)。興味ある方は、こちらをどうぞ。Topic: Julius Caesar

チャールトン・ヘストンがアントニーを演じた1970年の映画「ジュリアス・シーザー」のスピーチ場面は、こちら。Charlton Heston Mark Antony speech "Julius Caesar" (1970) 名場面だ!抑揚(よくよう)のつけ方といい、間の取り方といい、実にうまいって思った。高らかに歌い上げるようなスピーチ。素晴らしい!一見の価値は絶対にあると思う。

この場面のScript(The Tragedy of Julius Caesar By William Shakespeare: Act 3, Scene ll)は、こちら。Shakespeare Navigators
(紹介した映画の映像には、英語字幕も日本語字幕もついていないので、もし、Scriptを確認したい方は、上をどうぞ。少しちがうところもあるけど、だいたいScriptにそってます。)

アントニーの演説は、ブルータスの演説の直後。Audience (聴衆ちょうしゅう)は、みな、すっかりブルータスの味方。ブルータスを立派な人だ、シーザーは野心 があった、ブルータスはシーザーが大好きだったけど、ローマの方がもっと大好きだったから、みんなのためにやった、ブルータスは正しい、という雰囲気。そんな中、アントニーは、まず、少しずつ聴衆の心に入っていく。ところどころで、「ブルータスは、honourable manだ。」と繰り返し、聴衆の心をな だめ、聴衆に寄りそいながら、ちくっ、ちくっと、ブルータスをこき下ろしていく。ほめるフリをして、けなすのだ。そして、聴衆に過去を思い出させて、情感にうったえる。聴衆が味方につきはじめてからは、遺書や血染めの衣装などを効果的に使って、聴衆の気持ちを少しずつあおっていく。そして・・・逆転シェイクスピアって、やっぱ、すごい!

最初にスピーチしたブルータスのスピーチ場面はこちら。Brutus Speech at Caesar's funeral
こちらは1953年の映画(白黒)。

アントニーのスピーチの最初のところを引用します(Shakespeare Navigatorsから)。
逆風の中、聴衆に自分のスピーチを聞く耳をもたせ、少しずつ味方につけはじめる,・・・っていう場面です。その後もスゴイんですが、それは、リンク先でどうぞ。
Antony:
For Brutus'sake, I am beholding to you.
     ・・・・・・・・・・・・・
Friends, Romans, countrymen, lend me your ears;
I come to bury Caesar, not to praise him.
The evil that men do lives after them;
The good is oft interred with their bones;
So let it be with Caesar. The noble Brutus
Hath told you Caesar was ambitious:
If it were so, it was a grievous fault,
And grievously hath Caesar answer'd it.
Here, under leave of Brutus and the rest—
For Brutus is an honourable man; Brutus
So are they all, all honourable men—
Come I to speak in Caesar's funeral.
He was my friend, faithful and just to me;
But Brutus says he was ambitious;
And Brutus is an honourable man.
He hath brought many captives home to Rome
Whose ransoms did the general coffers fill;
Did this in Caesar seem ambitious?
When that the poor have cried, Caesar hath wept:
Ambition should be made of sterner stuff:
Yet Brutus says he was ambitious;
And Brutus is an honourable man.
You all did see that on the Lupercal
I thrice presented him a kingly crown,
Which he did thrice refuse. Was this ambition?
Yet Brutus says he was ambitious;
And, sure, he is an honourable man.
I speak not to disprove what Brutus spoke,
But here I am to speak what I do know.
You all did love him once, not without cause:
What cause withholds you then, to mourn for him?
O judgement! thou art fled to brutish beast.
And men have lost their reason. Bear with me;
My heart is in the coffin there with Caesar,
And I must pause till it come back to me.

2年前に書いた話はこちら
Gifted Program -Shakespeare on Stage (1)  ギフティッド・プログラムーシェークスピア・オン・ステージ (1)
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