化学実験中にファイアー・アラーム

2016.03.06 Sun

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化学実験中にファイアー・アラーム

今、大学2年の終わり近くだけど、ラボコース(実験をやるコース・科目)は、大学1年のときから、いろいろやってる(化学実験、生物実験、物理実験とも)。学期ごとに、たいてい、2コースずつ。

今学期やってるラボコースのうちの一つ、ある化学実験のコース(週に1回のやつ)、
あつかってる液体が、ちょっと、ヤバいっす。


俳句風に言うと、
ヤバいやつ いつも使うぜ 化学(かがく)ラボ 
(季語ないけど、5・7・5 ピッタリ

マンガのイメージで言うと、ドクロマークがつくようなのも、あつかう。高校時代にあつかったのよりヤバい。それと、大学2年だと、大学1年のときより、使う薬品の濃度も濃い。

化学実験は、一人一人でやる。たとえば・・・・・入ってるコンパウンド(compound)を突き止める実験など。複数の (いくつ入っているか、わからない) コンパウンドが混じったものを、与えられる。学生ごとに、それぞれちがうものが与えられる。それを、セパレート(separate)し、ピュリファイ(purify)し、何が入っているのか、各自で、突き止める。一回で終わる実験じゃない。何週間もかけてじっくりやる。その過程で、いろいろな薬品を使う。


固体(solid)は、気をつけていればあまり下手はうたない(実験中に、食ったりしないし)。でも、液体(liquid)の場合、ふたをあけると、それだけで、少しevaporate(蒸発)してしまうやつもあるから、注意が必要だ 。安全のため、Fume hoodを使う。

Fume hoodというのは、
こういうやつFume hood(英語Wiki:写真あり)。リンク先で日本語に変えると、呼び方がちがうけど、これ(日本語Wiki)。英語では、ヒュームフッドって言う。

実験は、一人でやるんだけど、クラスメートたちと、同じ部屋の中でやる。ヤバい液体をあつかうとき、教授は、「Fume hoodのところで液体を入れたら、すぐに、そこで、ふたをしめるように」って、厳しく言ってる。それから、何かの事情で、一人だけ実験が遅れている人がいたとき(他の人は使わないのに、その一人だけ、ヤバいのを使う場合)、同じ部屋の中じゃなくて、わざわざ、別の部屋でやらせていた(他の人に、ヤバいのを、吸わせないため)。


それくらい気をつかっているんだけれど、実験そのものは、今学期のは、Fume hoodのところでやってない(1年のときの化学実験は、Separatory funnelからガスをぬくとき、Fume hoodに向けてプシューッってやってたんだけど、今学期はちがう)。

Fume hoodのところで液体を小分けし、ふたをしたら、あとは、自分の実験テーブルへ持っていき、そこで実験。そのとき、ふたをあけて使う(もちろん、すぐに、また、ふたをするけど)。クラスメートたちも、みんな、それぞれ、使う。だから、そのあたりの空気中に、ほんの少しだけど、ただよう。

そして、セパレーション。これは、ていねいにやらないといけない。Separatory funnelをシェイクするとき、少しシェイクしたら、少し開放して圧力を逃がす。僕は、今のところ失敗してない。でも、クラスメートの中には、シェイクし過ぎて、リリースするとき、ビューッと、中の液体をふきださせてしまった人たちが何人かいた。

とまあ、そんなこんなで、こういうことをやってれば、どうしたって、少しばかりは、吸ってしまう。みんな、そう。

Separatory funnelというのは、
こういうやつ
separatory funnel(英語Wiki:写真あり)。


この前は、同じ日に、3つ、ヤバい薬品をあつかった。実験の前に、あつかう薬品のHazard(ハザード、危険性、その薬品がどう危険なのか)と、Procedures for Disposing of Chemical Waste (終わったあと、どうやって捨てるのか)についても、習う。(一人一人、与えられているコンパウンドがちがうから、学生によって使う薬品はそれぞれちがう。でも、一部、同じヤバいのを使う。)

どういう風にヤバいかっていうと、

Highly Flammable (すっごく燃えやすいよ)とか、
Highly Toxic
(とっても強い毒だよ)とか、
Carcinogenic
(発ガン性があるよ)とか。

carcinogenicは、carcinogenのadjective(形容詞)

教授は、「いつもこういうの(carcinogen)を、何十年も使ってる私たち研究者は、まあちょっと、体に良くない。でも、君たちは週に1回、1タームだけだからね。その程度なら大丈夫です!」と言ってた。

化学を専門にする人たち、大変だなあって思った。でも考えてみたら、どの分野だって、それぞれに、いろいろヤバかったりする。どんな分野でも、覚悟が必要だ。



そんなこんなで、いろいろ神経を使いながら、化学実験してたときのこと
突然、ファイアー・アラーム
(火事を知らせるアラーム)が鳴った 



ヤベ、これ、ドリル(Fire Alarm Evacuation Drills、避難訓練)じゃないぜ!

パッとまわりを見渡した。
みんな「ヤバッ!どこだってキョロキョロして手が止まってた。

外は大雨の日。中はというと・・・・・・・・・・
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僕たちの実験室からじゃなかった。

TA(教授の助手をしている大学院生たち)が、ささっと火事の場所を調べてくれた。広いから、アラームの音と鳴り方で、ビル内のどの場所からの火事かなど、いろいろ区別できるようになっているらしい(少なくとも、化学ビルディングはそう)。けっこう離れた場所からのアラームで、安全も確認でき、「避難しなくて大丈夫。みんな、そのまま、実験続行」と言われた。無事、その日の実験を終えることができた。


アート系のビルディング(文学や英語など語学系のコースの講義があるビル)でファイアー・アラームが鳴った場合なら(鳴った記憶ないけど)、「ん?火事かな?」って、たぶん、おちついた感じで受け止めると思う。でも、化学ビルディングでファイアー・アラームが鳴ると、ちょっと緊張する。

「ああ、だれか、やっちまったかな(何か、手順をまちがえて、爆発させちまったか?)」って。でもまあ実際のところ、TA(教授の助手の大学院生)たちが、ものすごくしっかり目を光らせてるから、そう簡単には火事レベルにならないはずだけどね。

結局、特に大きな問題ではなかったみたいで、本当によかった。



Biosafety level (バイオセーフティレベル)の話も書いておくと・・・


危ないのは、化学系だけじゃない。(物理系もだけど)、生物系も、たとえば、ウイルスやバクテリアのあつかいなど、注意しないと、とても危険。(僕はやってないけど)、ウイルスなどを扱う地下ラボの出入りはとても厳重になってる、って先輩から聞いた。こういうことは、どこの研究施設でも同じだと思う。

僕の大学やその関連施設はレベル3(BSL-3)。プリオンがあつかえる。HIVはルーティーンのだとレベル2でもあつかえるって聞いた。エボラ・ウイルスとかはレベル4の施設であつかう。

バイオセイフティ レベル4(BSL-4)は、カナダでここだけNational Microbiology Laboratory カナダが誇る世界的レベルの研究機関 CBCnews 


ちなみに、レベル4(BSL-4)の実験室がある国は、限られている。

調べてみたら、日本には、レベル3(BLS-3)の施設は、何か所もあるんだけれど、レベル4(BSL-4)の施設があるのは、国立感染症研究所と理化学研究所の2か所だけ。

でも、日本はこれまでBSL-3の運用までしかしてこなかった(日本語のWIKI)。G7の国でBSL-4の施設が稼働してないのは、日本だけだったらしい。それだといろいろマズイ。だから、国立感染症研究所がBSL-4施設に指定されたって(日本経済新聞)。

危ないウイルスなどのとりあつかいに厳重な注意が必要なのは当然。だけど、せっかく専用の施設もあるのに、国のトップレベルの研究者達が、自分の国の中で専門の研究ができないようだと、逆に、国の未来が危ない。アメリカだけじゃなくて、カナダもちゃんとやってる。イギリスも、ドイツも、イタリアも、スイスも、インドも、チャイナなどもだ。こういうことは、日本も、しかるべき場所で、きちんと研究を進めていくべきって思う。

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Category: 大学生活

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Re: No title

あっちゃん先生 さん へ

そうですか。どうもありがとうございます!e-257

Edit | 2016.03.10(Thu) 13:15:00

あっちゃん先生 >>URL

No title

本日、本が到着し読んでいます。

多分僕のブログ読者の方々にも参考になることがあると思うので、一両日中に紹介させていただこうと思います。


Edit | 2016.03.09(Wed) 20:52:41

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Re: No title

みき さん へ

こんにちは。どうもありがとうございます。僕のやっていることは、ふつうのことです。まあ何とかやってます。それと、日本で、灘高校を卒業後、ハーバード大学へ入学、物理を学び、大学院もハーバードでPh.D.を取り研究していた方にお会いしたことがあるんですが、その方は、ずっと日本で育ったわけだけど、専門の物理は英語の方がわかると言っていました。でも、最初の半年くらいは、苦労したみたいです。


あっちゃん先生 さん へ

応援、どうもありがとうございます。僕も、文化や伝統はとても大事で、伝えていくべきだと思っています。同時に、一人一人、個性があるから、ずんずん勉強したい生徒は、どんどんやればいい。そういう自由があるといいと思う。日本の高校・大学のトップグループは、スゴイと聞いてます。数学・化学・物理オリンピックなどでメダルを取るような人たちとか。上の方で紹介した、灘高校からハーバード大学へ入学した方も、そういう人たちの一人で、化学オリンピックで最優秀賞を取った方(そのころ、物理オリンピックがなくて、受けられなくて残念だったみたい)。あっちゃん先生の指導のもと、つぎつぎに優秀な人材が育つといいですね。

Edit | 2016.03.08(Tue) 15:07:51

あっちゃん先生 >>URL

No title

遅ればせながら著書の注文させていただきました。

明後日くらいに到着します。
とても楽しみにしています。


Edit | 2016.03.07(Mon) 22:17:33

あっちゃん先生 >>URL

No title

翔君の後輩にふさわしい生徒が育っているのですが、いかんせん日本の義務教育の中では恐らく窮屈な思いをするのだろうということがとても心配です。
いっそのこと、シアトルで教鞭をとっている妹に託そうかな…なんて考えています。
今の日本の教育制度の中では、埋もれていく才能がとても多いと思います。
良き伝統を残しつつ、より良い教育環境をつくり(飛び級落第など含め)、日本の子供達が一人でも多く翔君のようになってほしいと思います。

Edit | 2016.03.07(Mon) 00:49:50

みき >>URL

む、難しいことをしてますね

なんだか本当に研究者と同様なことを学科で行っているんですね、、、生命の謎解きに興味を示す翔さんには通らねばならない道なのでしょう。それを英語で全部理解出来る物なのでしょうかっ!?5歳から英語付けだともう慣れたものでしょうか?

Edit | 2016.03.07(Mon) 00:05:37

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僕の本が出ました。いつも応援ありがとうございます。これからも頑張ります!「ザ・ギフティッド」  

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この本には、僕のコラムもあります。 「9歳までに地頭を鍛える!37の秘訣」

プロフィール

大川翔

Author:大川翔
2014年6月、14歳でカナダの公立高校卒業(数学は4学年:AP Calculus 評価5、他は3学年飛び級)。同年9月に大学入学。2015年1月、カナダ政府からカナダ総督アカデミック・メダル賞を受賞。同年4月、大学1年終了。2016年4月、大学2年修了。同年9月からは、大学3年生。

0歳から5歳まで日本の保育園で育ち、5歳半の時に、両親の仕事の都合でカナダに来ました。時々、日本に帰国してます。僕の『極楽カナダ生活』をブログに記そうと思います。

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